パラド−ル
スペインには、パラドールという宿泊施設があります。
国営古城ホテルで、スペインに計88か所あります。
国が古城を買い取って、改装し、ホテルにしちゃったわけです。
日本もそろそろ、観光客誘致に本腰を入れつつありますが、
姫路城や熊本城の中を改装して、ホテルにしちゃうなんて、
ちょっと考えられないですよね。
でも、どこにでもある高級ホテルより、
そんなところに泊まってみたいと思いませんか?
てなわけで、今回私達は、
長年憧れていたパラドールのひとつに2泊しました。
バルセロナから、電車で70キロとタクシーで30キロ。
往復に、3人で¥3万かかってしまいました。
パラドールは、どこも不便なところにあるので、
レンタカーで行くのが一般的なんですが、
国際免許を取る暇がなかったので、タクシーになってしまいました。
その、不便なところにあるのが、また魅力なんですよね。
日本で言えば「秘湯の旅」てかんじでしょうか。
で、パラドール、期待通り良かったですよ〜。
もうすっかり「三銃士」の世界で、
中世にトリップさせてくれる宿泊施設です。
なのに客室は、最新設備で快適です。
国営なので、働いている人は公務員なんでしょうが、
どの人もきちんとしていて、英語も通じるので、安心できました。
天守閣から街並を眺めていると、
すっかり王の気分になってしまいます。両手を広げて、
「わがたみ(民)よ〜」って、言いたくなっちゃうのです。
そして、暗い渡り廊下を歩くと、
「シックスセンス」の亡霊がうじょうじょ見えそうな気がして、
おどろおどろしくて、思わず走ってしまいます。
鐘楼の下には、きっと美女が幽閉されているしね。
昼間は、巷に降りて、「たみの暮らし」を視察します。
たみは、今日もつつましく、洗濯をしたり、
買い物かごを持って立ち話をしたり、犬の散歩などをして暮らしています。
旅行客を装ってそれを視察する自分は、スペインの黄門様に違いない。
「今日もわがたみは平和なり」と、満足して城に戻ります。
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